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感想を書く。SF、ミステリ、それ以外について。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

今月読んだ本ベスト

厳密には5月に「読んだ」本ではなく5月に「感想をブログに載せた」本である。私以外にとっては全く関係ないし、私自身もどうでもいいと思っている。SF、ミステリ、非文芸書から一冊ずつ選んだ。

オーウェン・キング/スティーヴン・キング『眠れる美女たち』感想

「先住民のブラックフット族の言いつたえでは、茶色い蛾は眠りと夢をもたらすんですって」

荒川洋治『文芸時評という感想』感想

この世をふかく、ゆたかに生きたい。そんな望みをもつひとになりかわって、才覚に恵まれた人が鮮やかな文や鋭いことばを駆使して、本当の現実を開示して見せる。それが文学のはたらきである。

円城塔『Self-Reference ENGINE』感想

全ての可能な文字列。全ての本はその中に含まれる。

円城塔『Boy’s Surface』感想

ここに本来書かれているものは、今見えている文章では全くない。

円城塔『文字渦』感想

「昔、文字は生きていたんだと思わないかい」

ジーン・ウルフ『デス博士の島その他の物語』感想

だけど、また本を最初から読みはじめれば、みんな帰ってくるんだよ。

G・K・チェスタトン『木曜日だった男』感想

それから三分後、機密警察の一員ガブリエル・サイム氏は、ヨーロッパ無政府主義総評議会の木曜日に選任された。

ジーン・ウルフ『書架の探偵』感想

わたしはこの街、香料樹園にある公共図書館の、四段構造になった書架のうち、上から三段めの棚に住んでいる。

ベン・H・ウィンタース『地上最後の刑事』感想

いずれにしろ、世界は終わりを迎えるか、もしくは、終わらないとしても闇に飲まれることになる。

スティーヴ・ハミルトン『解錠師』感想

金庫にふれるときは、それを女だと思え。ぜったいにそれを忘れるな。

島田荘司『御手洗潔のダンス』感想

読んだ。

島田荘司『占星術殺人事件』感想

これは私の知る限り、最も不思議な事件だ。おそらく世界にもまずめったに例を見ない不可能犯罪であろうと思う。

カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』感想

わたしたちが[時間]と呼んでいるものは、さまざまな層や構造の複雑な集合体なのだ。

リー・ビリングス『五〇億年の孤独』感想

読んだ。6600万年よりもさらに長い50億年。それは地球が生まれてから生物が住めなくなるまでの時間でもある。

ピーター・ワッツ『6600万年の革命』感想

昔の暦で六千六百万年。それだけの期間を旅してきた。

パオロ・バチガルピ『第六ポンプ』感想

「だったらなぜこういうものを買えるんですか?イヤバグや、ベーコンも。ちゃんとどこかで生産されてるからでしょう」

パオロ・バチガルピ『神の水』感想

かつてそれは神の水と呼ばれた。中西部の平原に徐々に広がり、ロッキー山脈を越えて乾燥した土地に進出したアメリカの入植者たちは、そう呼んだ。

ジェイン・ハーパー『渇きと偽り』感想

"干魃"ということばを聞かされてもただうなずくだけで、この川が干上がっていることにどうして思い至らなかったのか。〔…〕巨大な傷のなかに一人立たされたフォークは、両手に顔をうずめ、一度だけ叫んだ。

ジョーダン・ハーパー『拳銃使いの娘』感想

負け犬のように背を丸めて、顔を髪で隠してはいても、少女は拳銃使いの眼をしていた。

小林真大『「感想文」から「文学批評」へ』感想

いかなる文学批評も、どの要素を重視しているのかという視点から、すべて六つのタイプに分類することができるのです。

武田悠一『読むことの可能性』感想

「文学」を内面的な感受性、誠実性の世界と見る考えは、それ自体が一つの文学理論にほかなりません。

レーモン・クノー『文体練習』感想

S系統のバスのなか、混雑する時間。ソフト帽をかぶった二十六歳くらいの男、帽子にはリボンの代わりに編んだ紐を巻いている。——

フェルナンド・ペソア『アナーキストの銀行家』感想

「だった、じゃない。かつてもそうだし、今もそうだ。この点、僕はかわらない。現に僕は、アナーキストだ」

シオドア・スタージョン『海を失った男』感想

さて、もしそれよりももっと大切なことがあるとするなら、今こそそれが姿を現す時だ。

シオドア・スタージョン『輝く断片』感想

どこまでも荒涼と続く、がらんとした暗い回廊をながめ、そして、いままさに彼の手から離れようとしているはかない輝く断片を見た……。

シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』感想

もちろんそれが、この世でいちばん不思議なひと触れだった。

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー 下』感想

そしてまずまちがいなくあなたは、勝つことを好む以上に負けることを嫌う。

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー 上』感想

あなたは定規を信じることを選んだが、システム1がやりたいようにすることは止められない。同じ長さと知っていても、そのように見ることは、あなたには決められないのである。

マイケル・ブルックス『「偶然」と「運」の科学』感想

ランダム性は系自体の性質ではなく、その系に関するわれわれの考え方が持っている数学的性質なのだ。