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感想を書く。SF、ミステリ、それ以外について。

小説

橋本輝幸編『2010年代海外SF傑作選』感想

二〇一〇年代はSFがさらに拡散した時代だった。

町田康『ゴランノスポン』感想

それぞれがそれぞれとしてそこにある。それこそが素晴らしい。空が美しい。感謝。

R・A・ラファティ『第四の館』感想

「おやおや、今度は超人種族が自分の精神をコントロールできると信じている? 良くないですね、フォーリーさん、たいへん良くない」

R・A・ラファティ『宇宙舟歌』感想

「男たちよ! けだものたちよ! 立ち上がれ!」ロードストラムは吠えた。「旅の終わりにたどりつくのは死ぬってことだ。俺たちはまだ行くぞ!」

G・K・チェスタトン『ブラウン神父の不信』感想

「人が神を信じなくなると、その第一の影響で、常識をなくし、物事をあるがままに見ることができなくなる……」

リチャード・ブローディガン『パルプ』感想

悪文に捧ぐ。

大森望編『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』感想

肝心な問題があと一つ——ジュディなのか、ダーリーンなのか。

カート・ヴォネガット『青ひげ』感想

「人生のすべてがジョークなのさ」とわたしは答えた。「知らないのか?」

リチャード・パワーズ『幸福の遺伝子』感想

私は自分がこの話からどんな物語を作ることになるか知っている。一つの言葉から次の言葉へと、徐々に自由になる物語だ。無意味な細部と真空から自らを作り上げていくタイプの物語。偶然みたいな選択が存在しない物語。

ラヴィ・ティドハー『完璧な夏の日』

緑の草。黄色い太陽。蒼穹。白い雲。 完璧な夏の日。

サミュエル・R・ディレイニー『ドリフトグラス』

「ドリフトグラスを探しているんだ」

サミュエル・R・ディレイニー「エンパイア・スター」感想

単観、複観、多観。

サミュエル・R・ディレイニー「スター・ピット」感想

いいか、ぼうず、人間は成長するか、それとも死ぬかだ。そのどっちかを選ばなくちゃいけない。そいつは一生続くんだ。

サミュエル・R・ディレイニー「時は準宝石の螺旋のように」感想

「——手持ちのあらゆる情報が状況の全体像と関わりあっているかどうかを常に確かめるんだ。おれを出し抜くにもそれしかない」

オーウェン・キング/スティーヴン・キング『眠れる美女たち』感想

「先住民のブラックフット族の言いつたえでは、茶色い蛾は眠りと夢をもたらすんですって」

円城塔『Self-Reference ENGINE』感想

全ての可能な文字列。全ての本はその中に含まれる。

円城塔『Boy’s Surface』感想

ここに本来書かれているものは、今見えている文章では全くない。

円城塔『文字渦』感想

「昔、文字は生きていたんだと思わないかい」

ジーン・ウルフ『デス博士の島その他の物語』感想

だけど、また本を最初から読みはじめれば、みんな帰ってくるんだよ。

G・K・チェスタトン『木曜日だった男』感想

それから三分後、機密警察の一員ガブリエル・サイム氏は、ヨーロッパ無政府主義総評議会の木曜日に選任された。

ジーン・ウルフ『書架の探偵』感想

わたしはこの街、香料樹園にある公共図書館の、四段構造になった書架のうち、上から三段めの棚に住んでいる。

ベン・H・ウィンタース『地上最後の刑事』感想

いずれにしろ、世界は終わりを迎えるか、もしくは、終わらないとしても闇に飲まれることになる。

スティーヴ・ハミルトン『解錠師』感想

金庫にふれるときは、それを女だと思え。ぜったいにそれを忘れるな。

島田荘司『御手洗潔のダンス』感想

読んだ。

島田荘司『占星術殺人事件』感想

これは私の知る限り、最も不思議な事件だ。おそらく世界にもまずめったに例を見ない不可能犯罪であろうと思う。

ピーター・ワッツ『6600万年の革命』感想

昔の暦で六千六百万年。それだけの期間を旅してきた。

パオロ・バチガルピ『第六ポンプ』感想

「だったらなぜこういうものを買えるんですか?イヤバグや、ベーコンも。ちゃんとどこかで生産されてるからでしょう」

パオロ・バチガルピ『神の水』感想

かつてそれは神の水と呼ばれた。中西部の平原に徐々に広がり、ロッキー山脈を越えて乾燥した土地に進出したアメリカの入植者たちは、そう呼んだ。

ジェイン・ハーパー『渇きと偽り』感想

"干魃"ということばを聞かされてもただうなずくだけで、この川が干上がっていることにどうして思い至らなかったのか。〔…〕巨大な傷のなかに一人立たされたフォークは、両手に顔をうずめ、一度だけ叫んだ。

ジョーダン・ハーパー『拳銃使いの娘』感想

負け犬のように背を丸めて、顔を髪で隠してはいても、少女は拳銃使いの眼をしていた。