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感想を書く。SF、ミステリ、それ以外について。

ローラン・ビネ『言語の七番目の機能』感想

エーコ+『ファイト・クラブ』を書きたかった。

「人生は小説ではない。」

 

読んだ。

  • 二十世紀哲学者の大乱闘スマッシュブラザーズ

    • 学がないのでWikipediaを見ながら読んだけどよくわからなかったです……。
  • 文学小説?なだけあって実験的?な手法が取り入れられている。面白かった。

    • 同時に起こることがそのまま描写されたり、描写が省かれなかったりするのは映画的だと思った。
    • 本作は「コードがあるよ」の形式で書いてあるけど主人公も記号学者だからややこしい。コードがあると書くからコードがあると書かれるのか、小説にはコードがあるから主人公の性質からの帰結としてそれが認識され、コードがあると書かれるのかは違うのだろうか?何が言いたいんだ、私は?

    • 作者が明示的に入ってくる場面もいくつかある。

      • ロラン・バルトの作者の死が云々とか読者が云々とかいう前提を知ってるともっと楽しめるのかもしれない。
  • Q. 結局「言語の七番目の機能」って何だったんですか?

  • ミステリとしても楽しめるけど、ミステリだけを求めて読むとそれ以外の部分で大変かもしれない。

    • でも面白い。記号論による表象を捉えた推理はシャーロック・ホームズぽい(実際、後書きによると主人公の名前シモン・エルゾグの頭文字S.H.はホームズからとったもののよう)。
    • 個人的にはミステリパート(?)の方が楽しめたけど文学パート(?)も面白いと思います。
    • さっさと読めると思っていたが、半分読んだところで色々と生活が忙しくなって、読書を再開した時には名前も状況も言語論的転回も分からなくなって結構苦し〜、となった。
    • 図書館で借りていたので延長するか〜と思っていたら予約が入っていた。かなり田舎なのに。読む人がいなければ図書館だって用意しないか。
  • 実在の人物をそんなふうに扱っていいのか!という感じでスゴかった。フーコーとか。同著者の『HHhH』も実在の事件(時代?歴史?)を扱っているようで読んでみたい。